活動報告

海外イベントへの参加レポート、国内イベント情報等、IWCA日本支部の活動をお伝えします。


IWCA日本支部はSCAJ2023(https://scajconference.jp/)の期間中の9月28日(木)午前8時から朝食会を行います。

朝食はポットラック式、持ち寄りです。海外ゲストをお迎えしてコーヒー業界での女性の活躍の話など皆で話しあいましょう。お気軽にお越しください。

日時:9月28日(木) 午前8:00~

場所:東京ビッグサイト 西ホール商談室(4)F会場



今回は新規会員の株式会社やぶ珈琲の籔内咲子さまや店舗の紹介とIWCA寄附付きエコバッグ販売のお知らせをいたします。

会社名 株式会社やぶ珈琲

店舗名 珈琲豆専門店やぶ珈琲


自己紹介:宮崎県出身。高校卒業後、韓国へ留学しソウル大学を卒業。帰国後、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社で制作ディレクターとして勤務し、5年後に字幕翻訳者として独立するも、制作や翻訳の仕事の合間に飲んでいたコーヒーの美味しさに惹かれ、2014年に夫婦で起業。焙煎技術や経営を学び、現在に至る。

IWCA参画の理由:会社を支えてくれる女性スタッフが働きやすい環境を整えるため、小さな会社ながらも産休・育休制度を整備、保育園と提携、在宅勤務、働きやすい時間の調整等をしています。そんな中、コーヒー業界に携わる全ての女性が活躍するために活動されているIWCAの存在を知り、すぐに参画を決めました。

今回の活動紹介:女性活躍のための活動に賛同し、IWCA寄付付きエコバッグを販売いたします。エコバッグは、リサイクル素材で環境に配慮した工程で作られています。内ポケットに折りたたんで収納できる実用的なものです。イラストレーター村上信理さんのイラストを採用いたしました。IWCA寄付付きECO BAG


店舗紹介:大阪、喜連瓜破のロースター。常時30種類以上のコーヒー豆を取り扱っており、ご注文後に焙煎しご提供しております。また、毎月4種類ほどのコーヒーが入荷し、様々なコーヒーをお楽しみいただけます。焙煎機は直火の小型ロースター6台を使用し、240gの少量から丁寧に焙煎。30種類以上ある生豆の焙煎時間を種類ごとに調整しております。

今後の抱負:今後も、それぞれのスタッフが力を発揮できる環境を整え、お客様に美味しいと思っていただけるコーヒーをご提供できるよう、引き続き、努力してまいります。


<<Hola Tostadoras>>(オラ、トスタドラス)

「こんにちは、女性焙煎人のみなさん」という意味です。

焙煎をしてみたい女性、焙煎している女性たちで集まっていろんなお話ししてみようと思います。

知りたいこと、悩んでいること、これからどんなことをしたいのか、など何でも話しませんか?

今後は関西やその他のエリア、SNSなどでも交流したいと思います。

まずはご連絡くださいね。

【日時】12月9日金曜日 

    第1部13時~14時半

    第2部 14時半~16時

【場所】 ギーセンジャパン

142-0051

東京都品川区平塚3丁目14−2 第3オクダビル 1F

【定員】15名

【参加費】無料

【呼びかけ人】 IWCA 糸井優子

【連絡先】yuko@cafetime-kyoto.com

出席希望の方、また今後の活動にご興味のある方、糸井までご連絡ください。

糸井優子

簡単な自己紹介・・・京都でタイムズクラブという会社をしています。

37年前に喫茶店を開業し、数年後焙煎も始めました。今はコーヒーの買い付け担当です。うちの焙煎担当は女性です。21年ずっとコーヒーをやいてくれています。

12日 映画上映ステージA 15:45-17:00

映画「GENDER IN COFFEE」を上映します。この映画は、コーヒー生産地を舞台に、コーヒーバリューチェーンの女性の生活、地位向上、ジェンダー公平性をテーマにしたドキュメンタリー映画です。


13日IWCA日本支部朝食会 9:00~ 

【西3商談室3】

特別ゲスト イエメンキーマコーヒーのFaris Sheibaniさんに

「イエメンのスペシャルティコーヒーと女性たちの現状」

をお話しいただきます。

A guide to South Sudan’s coffee sector

その長い歴史にもかかわらず、南スーダンは2011年に独立したばかりです。世界で最も新しい国際的に認められた国になっています。


スーダンと同様に、南スーダンはエチオピア、ウガンダ、ケニアと国境を接しています。これらの国々はアフリカのトップ5のコーヒー生産国のうちの3ヵ国です。


多くのひとはエチオピアがコーヒーの発祥地だと信じていますが、2021のある研究によると、アラビカコーヒーは南スーダンも原産地である可能性があることが判明しました。しかしながら、驚くべきことに、この国でコーヒーが初めて輸出されたのは2015年でした。


進行中の紛争と内戦の結果、国のコーヒー部門は独立以来何年にもわたって苦労してきました。ありがたいことに、南スーダンのコーヒー産業は復活の兆しを見せていますが、国はまだ多くの課題に直面しています。


筆者はコーヒーの起源に関する歴史と、同国のより広いコーヒーセクターついて学ぶために、地元及び世界のコーヒーの専門家と話しました。彼らが私に言ったことを知るためにお読みください。


南スーダン:もう1つのアラビカ原産国?

しばらくの間、輸出量はごくわずかだったため、多くの人々はコーヒーが南スーダンで栽培されていることを知りません。栽培されたほとんどのコーヒーは国内で消費されています。


しかしながら「アラビカ コーヒーの原産地としての南スーダンの検証:保全とコーヒー作物の改良への関わり」と題した持続可能なフードシステムのフロンティア誌に掲載された最近の研究では、南スーダンでアラビカコーヒーが栽培されている歴史的な証拠があることがわかりました。


Christophe Montagnon さんは、RD2 Vision の CEO です。RD2 Vision は、コーヒーに特化した農業研究開発コンサルタント会社です。彼は研究論文にも寄稿しました。


「アラビカ種コーヒーの遺伝的多様性に関する情報はほとんどありません。」と彼は説明します。「南スーダンにはアラビカの木が自生していたことが歴史文献に示されています。」


これにもかかわらず、Christopheさんはエチオピアがアラビカコーヒーの唯一の原産地であることが広く受け入れられていると言います。彼は、この主張が過度に単純化されていることを DNA 検査が証明したと述べています。


「南スーダンのコーヒーの木の葉とエチオピアのコーヒーの木の葉のDNAをテストして比較したところ、DNAが完全に異なることがわかりました」と彼は言います。


Christopheさんと彼の同僚によるとアラビカ種は南スーダンでも人間の介入なしでしばらく自生してきたといいます。


「これは、南スーダンのコーヒーの木がエチオピアから持ち込まれたものではないという証拠です」と彼は説明します。


Sarada Krishnan さんはインターナショナル・ウィメンズ・コーヒー・アライアンス(IWCA)のエグゼクティブディレクターです。彼女もまた南スーダンのコーヒーに関する研究論文に貢献しました。


彼女は、この国が 10 年以上前に国境を確立したばかりであるにもかかわらず、そのコーヒーは遺伝的に独特であると言います。


「エチオピアのアラビカ種から隔離された結果、南スーダンのアラビカ種は遺伝的に区別されるようになりました」と彼女は言います。「しかし、スーダン・ルメなど、いくつかの品種は栽培のために南スーダンに持ち込まれました。」


この品種は現在、コロンビアを含むビーン(コーヒー豆)ベルトの他の地域で栽培されています。

南スーダンのコーヒ生産の概要

南スーダンには、ロブスタ種とアラビカ種の両方の栽培に理想的な独特の気候があります。


北部の乾燥した地域は、ロブスタ コーヒーの栽培に適しています。この種はより高い気温と

低い高度に耐えることができるからです。しかしながら国の南部では、降雨量が多く湿度が高いため、アラビカの栽培に適しています。


いくつかのアラビカ種のコーヒーは、南スーダンの東、エチオピアとの国境近くに位置するボマ高原で自生しています。


悲しいことに、潜在的に高品質のコーヒーを栽培する能力があるにもかかわらず、南スーダンのコーヒーセクターは、継続する紛争の結果崩壊しました。


Delphine Bourseauさん は、ネスプレッソ(Nespresso)のグローバル リレーションズ マネージャーです。彼女は、外部団体が国のコーヒー産業の活性化にどのように役立ったかを説明しています。

「2011 年に独立した後、ネスプレッソは非営利の TechnoServe と提携して、イェイ県南西部の小規模コーヒー農家を支援するプログラムを開始しました。」と彼女は言います。「このプログラムは、持続可能性に重点を置いて、何十年にもわたる紛争によってほぼ破壊された国のコーヒー産業を復活させることを目的としています」と彼女は付け加えます。


イェイ県はコンゴ民主共和国とウガンダとの国境に近く、3ヵ国間の貿易の重要なハブとしての役割を果たしてきました。また、ここ数年でコーヒーの生産量が回復しています。さらにここの気候はアラビカ種の栽培に適していますが、実際にはロブスタ種がより一般的です。


どのようにコーヒーは取引され、消費されるのか?

コーヒーは、1920 年代からイェイ県で栽培されてきました。 現在、この地域には、推定 1,000 の小規模農家がおり、コーヒーを栽培および販売しています。


歴史的に、南スーダンではナチュラルプロセスがポピュラーです。しかし、近年新たに建設された多くの湿式ミルは、農家がより多くのウォッシュドコーヒーを生産することを支援しています。


Paul StewartさんはTechnoServeのグローバルコーヒーディレクターです。彼は2016年以来、進行中の紛争が南スーダンでの湿式ミル工場の操業を妨げていると言います。


「協同組合は湿式ミルを運営できなかったため、農家は代わりにコーヒーを天日干しし、地元の市場で販売しています。」と彼は言います。「幸いなことに、農家が現時点で手にいられることができる価格は良好です。なぜなら南スーダンにコーヒーを輸入するのは非常に難しいからです。」


国の貿易システムは比較的単純です。農家はコーヒーが全国に販売される前に、トレーダーにコーヒーを販売します。市場は”フリー”です。つまり農家は最小の制限で誰にでもコーヒーを販売できます。


南スーダンのコーヒーの一部は国際消費用に輸出されていますが、これはごくわずかな量です。2012 年から 2016 年までの約 4 年間、ネスプレッソは国内で国際輸出用に生産されたすべてのコーヒーを購入し、「Limited Edition Grand Cru SULUJA ti South Sudan」カプセル ラインの一部としてヨーロッパと米国で販売しました。


国内消費に関していえば、南スーダンはコーヒー消費に関する独特の歴史的文化があります。Guhwah コーヒーは、赤い粘土で作られたフラスコであるjebenaで準備され、提供されます。この儀式は、エチオピアやエリトリアで人気のある儀式と幾分似ています。


「南スーダンの人々はよくコーヒーを飲みます。」「しかしほとんどのコーヒーはウガンダから輸入されています。」とPaulは言います。


「南スーダンで生産されるコーヒーはすべて地元で消費され、そのほとんどが家庭で消費されます。 人々は生豆を購入し、自分で焙煎します。」と彼は付け加えます。


この場合、人々はコーヒーを大きな鍋で直火で焙煎します。焙煎した豆が冷えた後、すりこぎとすり鉢を使って挽きます。コーヒーを沸騰させる前に、ブラックペッパーまたはすりおろしたショウガをコーヒーに加えることがよくあります。


南スーダンで栽培されたロブスタ種のコーヒーは、香りが良く、マイルドで木のような風味とバランスの取れたコクがあります。


遺伝的多様性への脅威

南スーダンの生活のほとんどの側面と同様に、継続的な紛争と政治的不安定の結果として、コーヒーの生産には苦労があります。


「アラビカの野生個体群は絶滅の危機に瀕しています」とChristopheさんは言います。「逆説的な状況です。国のアラビカ種の遺伝的多様性を発見すると同時に、それを失う危険性もあるからです。」


Christopheさんは、これも気候変動と森林伐採の影響によるものだと付け加えます。これらの要因により、研究者は南スーダンの野生のアラビカの木に関するより多くの遺伝情報を取得することができません。


Saradaさんは、彼女たちの研究の目標の 1 つは、地元のアラビカ生産を増やすことができる遺伝子バンクを確立することであったと述べています。しかし、彼女と他の研究者は国に戻ることができなかったと彼女は説明します。


「これらの植物が保存され、遺伝的多様性が失われないように、戻ってこれらの植物からより多くの遺伝子サンプルを収集することが非常に重要です」と彼女は言います。


Saradaさんは、研究チームが南スーダンのアラビカ種の個体群を森林や遺伝子バンクに保存しようとしていると説明しています。遺伝子バンクのコレクションにより、研究者はフレーバー や、気候変動、害虫、病気に対する回復力など、このコーヒーの特徴を研究できます。


「これらの種の遺伝子バンクのコレクションを増やす必要があるだけでなく、ヤユ保護区やカファ生物圏保護区など、コーヒーの森を保護するための政府の政策も必要です」と彼女は言います。「南スーダンのアラビカ種がどれほど回復力があるかはわかりません。したがって、これらの野生の個体群を保護し、保存する必要があります。」


南スーダンにおけるコーヒー産業の課題の克服

この国で進行中の紛争の結果、南スーダンではインフラの開発、土地へのアクセス、および農業慣行の改善に焦点が当てられていません。協同組合はまた、コーヒーの加工や輸出をより困難にしている湿式ミルの操業の再開にも苦労しています。


さらに、南スーダンのコーヒーセクターへの官民の投資が不足しているため、発展が妨げられています。


「今日の主な課題は不安定な政治情勢であり、ほとんどの世界市場が南スーダンからコーヒーを調達することを許可していません」と Delphine さんは説明します。「状況が安定したら、プログラムを再開できることを願っています。」


多くの農家が暴力のためにコーヒー生産地から逃げ出し、コーヒー生産はほぼ完全に停止しました。この労働力不足は、若者が経済的に重要であると考える仕事の機会を求めて都市に移動することによっても悪化しています。


しかし、国のコーヒーセクターにはいくつか見込みがあります。遠隔地では、コーヒーの木の植え付けやマルチング (土の表面を材料の資材で覆うこと) に関する情報が、ラジオ局を通じて農家と自由に共有されています。これは、正式なトレーニングを受けていない経験の浅い農家にとって特に役立ちます。


「私たちは、コーヒーを輸出できるように農家が湿式ミルを再開するのを助けたいと思っています」とポールは言います。「コーヒーセクターが成長する大きなチャンスがあります。」


「私たちは、農家グループや地元の起業家がコーヒーの苗木を生産するために運営している苗床にアドバイスとサポートを提供し続けています」と彼は締めくくります。


南スーダン政府は、特に石油輸出から離れようとしているため、国の経済を多様化し、後押しする方法として、コーヒー生産にオープンです。


さらに、国内で進行中の和平交渉により、農家は今後数年間で輸出を再開する可能性があります。将来、この国はその可能性を十分に発揮し、コーヒー生産は何千人もの人々に雇用の安定と生計手段を与えることができるでしょう。


最終的には、現在はアクセスできませんが、状況が改善されれば、南スーダンは今後数年間でより際立ったなコーヒーの産地になる可能性があります。しかし、そのためには、国内の紛争がほぼ確実に終結する必要があります。

2022年4月28日、IWCAグローバルブログより。

書き手:IWCAエグゼクティブディレクター サラダ・クリシュナンさん


私たちの多くはコーヒーがどのように栽培されているか、コーヒー生産が直面している課題をより深く理解するために原産国への旅を大切にし、コーヒーを販売している人々と直接つながりながら販売店を通じて販売することを検討します。逆に多くの生産者は、消費者のニーズを理解できるように、ロースターや小売店を訪問することに価値があると感じています。


IWCAの生産国支部のあるグループが、IWCAの熱心なサポーター、Coffee by Design(CBD)のメアリー・アレン・リンデマンさんのおかげでこの4月にこの機会を得ることができました。SCA展示会の最後に、9ヵ国に代表する約25名の支部メンバーがIWCA支部リレーションマネージャーのブランカ・カストロさんとともに、バスに乗りボストンからメイン州のポートランドまで2時間の旅をしました。


この2日間は、IWCAのエンパワーメントの3つの柱である、リーダーシップの育成、市場の可視性の向上、戦略的パートナーシップを象徴する刺激的な活動でいっぱいでした。


リーダーシップの育成

私たちは3つの中小企業を訪れ、成功談と課題、彼らが地域社会で果たす重要な役割について聞きました。メイン州ビデフォードの繊維工場で、家族経営のビジネスクラフト衣料品であるAngelroxの創設者兼デザイナーであるロクシー・シュガーさんに会いました。私たちは彼女の工場を訪問しました。そこはデザインが手作業で施されており、彼女の小売店の1つでした。

次にエベネザー・アカポポさんのジュエリースタジオを訪れました。ガーナからの移民であるエベネザーさんの成功への道は、魅力的で刺激的です。彼のジュエリーデザインは人間の美徳を表す母国ガーナの伝統的なシンボルに基づいています。

私たちはまたレストラン経営者であるクリスタ・コール・オブ・サー・リーさんに会う機会を得ました。彼女と彼女のチームが豪華な食事を用意している間、COVID-19パンデミックによってもたらされた景気低迷をどのように乗り越えたかについての彼女の話を聞きました。


市場の可視性の向上

2日目はCBDのカッピングルームで過ごしました。CBDチームの全体がIWCA支部メンバーから提供されたコーヒーサンプルを期待以上に焙煎しカップにいれました。各生産者との評価会を実施し、コーヒーの良さや改善の余地について理解を深めました。この実習は、消費者のニーズと購入決定に関する貴重な教育経験を提供しました。一般の人々との試飲会が開かれ、メンバーは消費者と直接交流することができました。


戦略的パートナーシップ

この経験全体は、生産者からロースター、消費者まで、コーヒーのバリューチェーンの両端をつなぐためにCoffeeByDesignと同様のパートナーシップの重要性をあらためて表明しました。訪問はメイン州ポートランドのコミュニティとの祝賀会ディナーで終わり、私たち全員がコミュニティの一員であり、人間関係というものが私たちの成功の鍵であることを強調しました。


これらの素晴らしい経験は、メアリー・アレンさん、Coffee By Design、そしてCBDチーム全体の優しさと寛大さによって可能になりました。CBDは、「私は私たちだから」という意味の「Ubuntu」というアフリカの哲学に基づいて運営されています。 「Ubuntu」はこのツアーと経験を通して広く行きわたり、私たち全員をつなぐ共有の普遍的なご縁を思い出させてくれました。メアリー・アレンさんとCBDチームの共有に感謝します!




International Women's Coffee Alliance 日本支部 (以下 IWCA 日本支部)では、SCAJ2018、2019にて大好評だったドキュメンタリー映画に引き続き、映画「GENDER IN COFFEE」を国内初上映いたしました。この映画は、コーヒー生産地を舞台に、コーヒーバリューチェーンの女性の生活、地位向上、ジェンダー公平性をテーマにしたドキュメンタリー映画です。コーヒーを取り巻く環境は大きく変化しています。この映画は価格、サプライチェーン、地域コミュニティ、トレーダー、提供するカフェ、バリスタの視点でGender Issueを考えることができる作品です。

冒頭マハトマ・ガンジーの言葉の引用“No two leaves are alike, and yet three is not antagonism between them or between the branches on which they grow.” 「二つの葉が相似であることはないが、三つの葉の間にも、その葉が生えている枝の間にも、対立するものはない」から始まり、これから始まるドキュメンタリーのテーマはジェンダーなのですが、決して、2つの、或いは複数の対立ではない、ということを表します。

生産地の状況から始まり、多くの登場人物がそれぞれの立ち位置での思いを語っていきます。そして各バリューチェーンの立ち位置によっても思いは異なり、観ている私たちの視野を広げてくれます。

劇中「ジェンダーエクイティの問題は、コーヒー農家のコミュニティだけでなく、私たち全員に関わる問題であり、単に男性と女性の問題ではありません、世界各地のコーヒー分野は、多様な人々、性別、何十もの言語で構成されており、ジェンダーを表現するためには、コーヒー分野に誰もが参加でき、歓迎される必要があります」という言葉がありました。ジェンダー公平性と言われるけど、難しそうだな、どういうことかな?と素朴に疑問を持たれる方もいらっしゃると思いますが、まさに、この一文をお伝えしたいと考えます。

そしてこの上映の機会を通じ、男女問わずIWCAの活動に興味を持ってくださる方がたくさんいらっしゃいました。単純に映画が面白かった、良い映画だったというコメントから、勉強になった、もっと知りたい、そしてIWCAを応援したい、という心強いお言葉も多数頂きました。

新たにIWCAグローバルの理事に就任された、世界的レガシー、元ACEエグゼクティブディレクターのスーザンさんとスペシャルゲストとしてIWCAグローバルのサラダ・クリシュナン専務理事もご参加頂きました。スーザンさんはカップ・オブ・エクセレンスとその未来、そして女性が直面している課題に焦点を説明下さいました。

ジェンダーエクイティ(公正)が非常に重要であり、よりよい世界を創ることにつながると説明し、カップ・オブ・エクセレンスの女性参画の低さにも言及しました。

女性の直面する課題として、具体的に以下を紹介しました。

   ・競技会参画に関する情報アクセスができない

 ・日常生活、家庭内の作業が負担で技術向上にかける時間がつくれない

 ・農事技術の向上や生産性向上に関する支援が少ない

 ・土地所有権が少ない、または相続権利も少ない

 ・女性は技術的に劣っていると言われ、男性同様の結果には二倍の努力が必要

 ・授賞式のようなイベントにおいても女性は功績を認識されにくい

 ・自分たちの品質や能力を理解できていない-メンターがいない

 ・大多数が男性である生豆バイヤーとのコンタクトがない-ネットワーク機会がない

このような背景を基づき、IWCAとACE/COEはパートナーシップ契約を締結し、女性への技術支援を行い、ロゴマークを活用することにより認知度を高め、多くの女性生産者の参画を促します。スーザンさんはこの活動を通じ、自身の長きにわたるご自身のコーヒー業界での知識や資源を女性の公平な機会を提供することに貢献したいとのことです。そして、多くの女性たちに素晴らしいインスピレーションを与えたい、女性たちが与え合えるようになりたい、と抱負を語って下さいました。

次にサラダさんからはエンパワリング・ウーマンインコーヒー(コーヒー業界の女性を力づける)と題し、IWCAグローバルの概要、活動内容をデータを使用してご紹介頂きました。


IWCA支部メンバーの構成は多くが生産者(40%)であり、かつ中小規模の生産者です。

機会点についてもウーマンコーヒーの認知度の低さや、マーケティング支援の必要性等を説明頂きました。また最大の課題でもある市場へのアクセスについても言及し、物流の課題、コーヒー評価システムの課題も明確になっており、そのような観点からもACE/COEとの戦略的パートナーシップの取組を推進することによりコーヒー業界の女性を支援していくとプレゼンを締めくくって頂きました。

その後、アメリカにいるスージーさん、サラダさんに直接オンラインで質疑応答も行われ、コロナ禍の制限はありますが、距離を超え、活発な意見交換ができました。

新規会員 川西倉庫株式会社様


「川西倉庫㈱の加入の機会をいただき、ありがとうございます。倉庫業の参加は初めてとのこと大変嬉しく存じます。

コーヒー豆は当社の主な取扱貨物であり、生産地から消費者様へと品質を保ちながらお届けすることを強みとし、物流を通して皆様をお繋ぎする密接な関係にございます。

今回、SDGsの取組みとしてコーヒー豆に関する支援をしたいと考えるなか、当協会のコーヒー生産に携わる女性の生産技術や地位向上への支援活動を知る好機を得ることができました。

今後ともよろしくお願いいたします。」